
泣かぬ鼠が身を焦がす
第21章 能ある鷹も身を焦がす(サイドストーリー)
そして今度は反対側の頬にも
「……っ」
何と屈辱的なことでしょうか
当然ですがこのような仕打ちは、これまで生きてきて初めてのことです
頑なに口を開けないでいる私の反応を三村様は楽しんでいらっしゃるようでした
「唇やわらかい」
頬だけでなく鼻筋や額、閉じた唇にもそれを擦り付けては息を漏らします
そのまま暫く耐えていると、いつの間にやら私の顔が濡れていることに気がつきました
これはもしかして……!!
嘘でしょう……!?
それが何かを察知した時の私の絶望は凄まじかったです
「ん、んーーーっ、んーーっ」
あまりの屈辱に耐えきれなくなり、私は口は閉じたままで声を上げました
「はははっ、首振っちゃって可愛いね。気づいてないのかな? それやることで自分から俺の擦ってるみたくなってるよ」
「!!!」
なら、どうすれば……!?
パニックになった頭で考えていると三村様は
「じゃあ、そろそろ咥えよっか」
と仰って私の鼻を摘んで塞ぎました
息が出来ない……っ
けれど、口を開いたら……あぁ、考えたくありません
暫くは抵抗を続けた私でしたが、人の息はそんなに長く保つわけもなく
