泣かぬ鼠が身を焦がす
第28章 画竜点睛
俺の気持ちがわかっての行動だったのか、ただの天然なのかわからないけど
「……」
どっちにしても照れる
久しぶりで耐性がなくなりすぎてるのかも
それから、本当にすぐ戻ってきた拓真さんの手には久しぶりの手料理があった
ひ、久しぶり……!!!
めちゃめちゃいい匂い
俺の胃袋とか他の内臓とかを心配してか、ただのお粥だったんだけど
俺お粥がこんなに美味しそうに見えたの人生で初めて!!
と思えるぐらいには美味しそうに見えた
「そうやって身体を起こしているのは辛くないか?」
拓真さんが椅子に座りながら俺に聞く
その時の俺は背中を凭れさせるものが何もない状態でベッドに座ってて、正直結構お腹とか痛かった
「……ごめん、ちょっと痛い」
俺がそう正直に言うと、拓真さんは
「なんで謝るんだ。これを持っていてくれ」
と言って俺にお盆を持たせた
何か座椅子みたいなの持ってきてくれたりすんのかな、と思ってぼんやりしてたら
「?」
拓真さんは俺の背中とベッドヘッドの隙間に身体を割り込ませてきて
そして脚で俺を挟むように座ると
「ほら、凭れていいぞ」
と声を掛けてきた
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