
泣かぬ鼠が身を焦がす
第29章 黒白を
ま、まままま待って……!!!
まさか拓真さん昨日と同じことしようとしてるんじゃないよね……!?
焦ったところで拓真さんはすでに部屋にはいない
無理だよ俺マジで
恥ずかしすぎて死んじゃうから!!!
暫くして部屋に戻ってきた拓真さんの手にはまたお盆
拓真さんはそれを俺に持たせると
「拓真さん……っ」
「なんだ?」
また俺の背中側へと回り込んだ
でも拒絶しようと思って声をかけてから
やばい
俺には拓真さんを納得させられるような理由が見つからない
と気がついた
身体は1日2日で治るようなもんじゃない
実際まだ痛いし
それなのになんて言い訳すればいい
「純?」
あぁぁぁぁだめだ
拓真さんが不審がってる
「…………何でもない、です……」
俺は結局拓真さんに何も言えないまま、昨日と同じように食事をさせられた
いや、させられたって言い方おかしいんだけどさ
自分の意思でみたいに言うとなんかこう……ね
その日それから俺は特に何もすることはなくて、ご飯を食べて薬を飲んだらまた横になった
拓真さんは俺と同じ部屋でパソコンに向かって仕事してて、俺はその間テレビを見せてもらったりしてた
