
泣かぬ鼠が身を焦がす
第29章 黒白を
ネタ……
勝てる……?
何が何やら
裁判とかには縁の遠すぎた俺は全く言ってる意味はわからないけど、とにかく拓真さんの言うことだから安心しておけばいいみたいだ
「それから、純が言ってたお手伝いさんの方も手を打ってあるから」
「! そ、か……」
よかった
「こんな短期間にそんなにたくさんやってくれたんだね。ありがと」
「あぁ」
にこ、と微笑んだ拓真さん
その笑顔にほっと安心
した
ん
だけど
待って俺、拓真さんの籍に入るって
え……
それは
「拓真さん、俺が同じ籍になって迷惑じゃない?」
だって会社は
スキャンダルとか
色々……
あるじゃん
会社だめになったら、社員さんみんな困る
伊藤さんも、茜さんも
俺が言いたいことは全部顔に出てしまったらしく、拓真さんは悟ったみたいに笑った
「何を言ってるんだ。迷惑じゃないに決まってるだろう。それに、あいつらに俺の会社には一切手出しはさせない。その用意もちゃんと出来てる」
「そう、なんだ……」
俺が心配しなくたって拓真さんのすることはいつも完璧で
それは今回だって例に漏れず一緒だったみたい
