泣かぬ鼠が身を焦がす
第29章 黒白を
拓真さんは話しながら俺の顔中にキスを落としてくる
「ん、ちょ……たくまさ……?」
話すんじゃないの
頭に入ってこないってば
けど拓真さんはやめてくれずに続ける
今日の拓真さんは何でか俺の言うことを聞いてくれないな……
それはそれで
なんかちょっとドキドキするんだけど
なんて、俺おかしいな
「今度こそ、ちゃんとお前にわからせなきゃいけないだろ?」
「わか、らせる……?」
俺がたずねると、拓真さんは笑顔を浮かべて俺の髪の毛を掻き上げた
「そう、純が俺のものだってことをな。俺以外とのことを思い出すなんて……」
思い出すなんて?
なんて、の続きはなに
ちょっとだけ続きは予想できるけど、どうしても言葉で聞きたい
俺が催促のために見つめると、拓真さんは続きを言う前にまたキスをしてきた
今度は唇に
「ん、んぅ……ん、ふ……」
口の中がとろけてしまいそうなほど甘いキスに、頭がじん、と痺れるような感覚がする
感じてアナルに力が入ると拓真さんの存在を感じて気持ちよくなった
やばい
心も身体も気持ちよすぎて、ドロドロになる
拓真さんの話聞かなきゃ、なのに
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