
泣かぬ鼠が身を焦がす
第6章 病に薬なし
いつの間にか眠りについていた俺が目を覚ますと、身体のダルさが尋常じゃないほど膨れ上がっていた
ダルい
つーかやっぱりあの夢だったし
最悪
身体を起こそうと動くと、俺の視界が何かに覆われて真っ暗になる
「わ、なに……?」
その正体はシーツだったみたいで、俺の目元を拭ってすぐにいなくなった
「目ヤニ、ついてるぞ」
「あぁ、ありがと」
綺麗好きだな、なんて思いながら身体を起こすと、杉田さんは何でか元気がない様子だった
「どうかした?風邪?」
「……」
俺が訪ねても、黙ったまま
は?なに?
暫く見つめていると、漸く口を開いた杉田さんからは謝罪の言葉が出てきた
「……昨日は、悪かった」
「え?」
昨日……
あ、そうだ
みっともないとこ見せたな
俺は気まずさから頭の後ろを掻きながら謝る
「いや、俺の方こそごめんなさい。せっかく俺の希望受け入れて抱いてくれるって言ってたのに……」
「どうしてお前が謝るんだ」
「だって、俺がーー」
「ノラは悪くない。俺の言い方が悪かった。すまない」
そう言って俺に深々と頭を下げる杉田さん
この人、なんで俺なんかに謝るんだろう
