短編集
第2章 ヤクザ × 学生
「おい、ヒロ。あの態度は何だ。将来母親になる人だぞ。」
「........母親なんていらない。」
そんなことを言う僕に龍牙さんは呆れたようにため息を吐いた。
「なぁ、頼むよ。仲良くしてくれ。」
仲良く?
僕から龍牙さんを取るようなやつと仲良くなんてできないよ。
「龍牙さんはあの人の見方をするの?僕より大切?」
「.........どっちも大切だから、仲良くして欲しい。」
「龍牙さんは僕を捨てるんだね。僕を選んでくれない龍牙さんなんて大嫌い。」
迷わず僕が大事と言ってよ。
あの女より大切だと選んで。