短編集
第2章 ヤクザ × 学生
遠くに聞こえていたサイレンが、風を切って横を通り抜ける。
「動くな!!!!!!!」
「現場取り押さえました!!!!」
「真田組と海堂組の抗争の模様!!直ちに連行します!!!」
人混みに紛れてその様子を見ると今まさに、龍牙さんが連れて行かれるところだった。
「龍牙さん.....」
その声が聞こえたのかゆっくりと龍牙さんの顔がこちらを向く。
まるでスローモーションのように二人の視線が絡み合うとそこは僕たちだけの世界になったようだった。
僕に向く龍牙さんの顔はまさに
殺意。
「弘樹っ、てめぇはかったな!!!!!!!!」