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愛したカノジョは指名手配

第11章 桜庭彩佳①

「東京で出店しないか?協力するから」
「でも……弟が待ってるし……」

稲葉には私の素性を全て打ち明けていた。

いずれは御殿場に帰ることも知っている。

「弟さんも東京に呼んだら?都内に居抜きで
凄くいい物件があるんだけど」

稲葉は一旦ベッドから降りると
その物件の資料を片手に再びベッドに乗り
私の肩を抱いた。

「いい物件だろ?滅多に御目に掛かれない
代物だぞ」

目にした居抜き物件は美容室としての設備が
申し分無いくらいに施されていた。

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