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愛したカノジョは指名手配

第11章 桜庭彩佳①

橘龍平……
この美容室に勤める誰もが怯える存在である。

一見サラリーマンにも見えるが眼光は鋭く
そうかと思えば誰に対しても敬語を使う。

こうしてフェイスタオルを掛けていながらも
恐怖は拭いきれない。

「ちょっと……色々ありまして……」
「良かったら僕に話してみませんか?
お役に立てるかもしれませんよ」

この優しさが逆に怖い。

でも……

橘だったら失意のどん底に居る私を救って
くれるかもしれない。

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