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愛したカノジョは指名手配

第37章 桜庭彩佳⑤前編

通帳を捲る。

一……十……百……千……万……十万……百万……千万……

それは一生掛かってもお目にかかれない桁だった。

「億……億って……こ……こんなに頂けません!

それに……私の借金の分は……」
「この金額は紛れもなく彩佳さんの取り分です。
金で解決しようとする警察の浅ましさをどうか
御許しください」

長谷川は何度でも私に頭を下げる。

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