
ホントに天使!?【完結】
第10章 昔の記憶
「ユウくん、おかわりは?」
「ある?じゃ、もらう」
その日、お互いの両親は連れ添って一泊の旅行に出かけていた
ユーキが小さかった頃には、2家族で旅行に行くのが恒例行事だったのだ
それが思春期になるにつれ、両親と一緒に旅行する事を嫌がるようになり、たまたま大学の行事が重なったカノンと留守番する事になった
と、言っても食事をご馳走してもらうだけで、中学生のユーキがひとりで留守番をするのは不自由はなかった
ユーキがご飯を頬張る姿を、カノンは目を細めて見つめる
「なんだよ、食べにくいだろ」
カノンの視線に気づいたユーキは、視線をあげないまま言った
「ユウくんも、すっかり大きくなったなぁと思って」
