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マーメイドな時間

第5章 参院選出馬に……

 ある駅前を通った時だ。


 私は偶然、選挙の演説に、出会した。


 女性の候補者が、必死に自己アピールと熱意を語っている。


 もうすぐ選挙なんだな。行かなきゃな……。


 ついさっき、会社の営業先でプレゼンをしてきたばかりだ。ちょっと変わったこともあったが、時間もあることだし、この女性の候補者の話を聞くとしよう。


 意気込みが伝われば、一票投じてもいいだろう。


 私は人だかりの中を覗きこんだ。


 選挙カーの上に乗っているようだ。


 ここからじゃ、顔しか見えない。


 でも、あの顔は、ポスターで見たことある。


 長い髪の、ハッキリした顔立ちの女性だ。


 よく覚えている。


 どっちかと言えば、好きなタイプの顔立ちだ。


 でも、選挙はタイプで選ぶわけではない。あくまで、日本のこれからをいい方向に導いてもらわなければいけない。


 その期待をこめての、我々有権者の一票。


「私は、今の日本の地域、ひとつひとつの皆様の生活をまず、見つめていきたい。景気は上がっていると、報じられていても、皆様に、その恩恵が行き渡っているでしょうか? 収入は減るのに、税金ばかりが増えて、国の借金は一向に減らず、どんどん増えています」




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