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マーメイドな時間

第8章 暴力団に……

 あれは、アレだよな。


 キュウリを好むんだよな。


 あの頭はハゲてんじゃないだろうな?


 しかも、口がスネ夫じゃねえか。


 組長、気を確かに!! 相手は人間じゃないんですよっ!!


 それに、籍を入れるって、やつに戸籍と住民票があるのかっ!!


 そりゃ、あざらしのタマちゃんにもあったから、あるのかもしれねぇが、あいつの場合、見付かった時点で衝撃ニュースになるんだぞっ!!




 ちょっと待て……



 ……そうか。



 やつは、組長に近付いて、尻小玉を抜こうとしてるんだな。


 きっとそうに違いない。


「く……組長!!」


 俺は我慢が出来ず、立ち上がった。


「おう、なんや博光、どないしたんや?」


「組長、目を覚ましてください。その女、普通じゃ、ありませんぜ」


「はぁ? なにを言ってるんだ?」


「後ろから見たシルエットは人間ですが、それはどう見てもカッ……」


「ひろみつぅーーっ!!」


 組長のカン高い声が、大広間に響く。


「こら、博光。お前、わしが気に入った女に難癖つけよう、言うんか、おっ!?」


「いや、しかし……」



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