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私の心の1番綺麗なところに

第12章 あの笑顔が。




初めての人は忘れられない、とか
片思いの恋こそ忘れられない、と
言う。


私はこの2つがぴたりと当てはまる。




人によっては
初めての人の記憶なんて
過去のこととして割り切ったり
片思いだった恋も
新たな出会いのために
前向きに進んでいける。





私はだめ。




割り切れないし、
前を向けない。




ぐずぐずと、
後を見つめるだけ…





前を向いていきなよ、と
何度言われたことだろう。



できるものならしている。



私だって、どうしてこんなに
前向きになれないのかわからない。




そもそも「前」って何なの。


どの方角を向けばいいの。




形にもなっていないところを
言われてもわからない。




気持ちの問題のことなんて
もちろんわかってる。




でも、その気持ちが
自分でもどうしようもないときは



方向がわからないんだよ。




だから わたしは ずっと



あなたという方向にしか
思い出という道にしか
歩けない。



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