私の心の1番綺麗なところに
第13章 信じた夏
隆太。
私は悲しいことがあったとき
そのことで泣かない。
悲しいことがあったとき、
なぜかいつもあなたを思い出す。
そして、会いたい会いたいと
見えない想いがつのり、
涙という形になって
見えるようになる。
私も、いろんな経験をして
成長したと思う。
前を向けていると思う。
でも、実際は
前を歩きながら
後ろを振り返っている。
歩いて、歩いて。
壁にぶつかったら
後ろを向いて、泣いて。
変わらない足跡を、
景色を眺めて。
戻りたい、と。
あなたは、前を見て
前に歩いていますか。
だとしたら、羨ましい。
そして寂しい。
欲張りな私は、
少しでも振り返って、
私という存在を
思い出してほしいと思うのです。
馬鹿だよね。
もし、あなたが
後ろを振り向くときがあったとしても
その足跡には、景色には、
私は存在していないかも
しれないのに。
あなたのことを
忘れられない私を
忘れないで…
それだけで…