私の心の1番綺麗なところに
第17章 心に降るのは雨か涙か
優貴が帰ってきた。
「行ってきた。
でも、俺ひとり行っても
意味ないんだってさ。
やっぱり被害者っていう
本人がされたってことを
証明しないとダメだって。」
被害者…か…。
「…澪は行く?」
「…」
「俺は行ってほしい。
それがケジメだと思うから。」
わかってるよ。
優貴の言い分は。
「警察に、俺の彼女は過去に
会って間もない男にフェラされました
って言ったんだけど…
本人の証言がないとダメなんだよ。
俺ができるのはここまで。」
やだ…
そんなこと、どうして…
警察に言うの…
そんなの言われたあとに
行けと言うの…?
「いまは、無理…か。
また日を改めてでも
いいらしいから。
俺は澪が行くまで
1人でも行くから。」