
私の心の1番綺麗なところに
第23章 傷
マンションを出て走り
何度も電話をかけた。
そしてやっと繋がった。
結局、怒っているから私と
電話したくないって思いつつ
電話が鳴ることで私の気持ちを
測りたいと思っている。
それよりも今は必死だった。
「ごめんなさい、ごめんなさい。」
「なんなの?電話も出ないしメールも
返事返さないって。
そんなのされたらもういいよって
なるよ。
しかもさっき荷物持って行ったら
部屋の中明かりついてるし。
帰って来てるなら連絡取れるだろ。」
部屋の中
明かりがついてる…
それを知る方法は…
優貴はドアについている
ドアスコープから部屋を覗いたんだ…!
動きはわからないにしろ
部屋の電気がついていたら明るくて
白く見えるようになるし
電気が消えていたら覗いても真っ暗だ。
私が…部屋の中で…
ごはんを作っていたとき
一瞬でも優貴は
ドアスコープから、
私の部屋を確認した…!
ゾワッとした。
こわい。
この人は、こわい…
