私の心の1番綺麗なところに
第5章 愛おしい時間
お風呂から上がって着替えたホテルを出た。
少し歩けば、人が多い通りと合流した。
なんだか不思議な感覚。
カフェに入って飲み物を注文した。
彼はコーヒー、
私は紅茶。
そしたら急に隆太は、
「ほんとに大丈夫かな。
妊娠とか…大丈夫だよね。」
って言い出した。
いきなり言われても困る。
だって、もうコトは終わったわけだし。
どうしていきなりそんな不安を口にするの。
私だって…急に怖くなったよ。
「生理いつあった?」
私が答えると
「なら、大丈夫だと思う。」
と言いながらも携帯で調べてる。
何が急に彼を不安にさせたのかは、わからない。
何の知識もない私は
黙って彼の手を見つめていた。
その頃はスマートフォンが出始めた頃で
スマートフォンを持っている人はまだまだ少数。
彼はその少数のひとりだった。
私はガラケーだった。
だから、彼のスマートフォンを見て
すごいなあと思った。