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私の心の1番綺麗なところに

第5章 愛おしい時間




カフェを出た後、
本屋さんに行った。




料理コーナーで隆太は
本を手に取りパラパラとめくった。


「今更だけど春から一人暮らしするんだ。
やっぱり実家からだと遠くて。
澪は春からどうするの?」

「私も、一人暮らしです。」

「そうか。頑張ろうな。
キャンパスが同じだったら
近いしお互い何かあったときに助かるのにな。」



大学が同じとはいえ、
彼の学部のキャンパスと
私の学部のキャンパスは違っていた。







料理の本の隣には、
お菓子の本があった。

それを見た隆太は
一冊を手に取った。




「もらいそうですね、バレンタイン。」

「それはないよ。てか、いままで
本命なんてもらったことないし。」



そのときの私は、
一線を超えたというのもあり、
多少隆太に甘えたり、
素を出すようになっていた。



だから…




「じゃあ、私が作ってあげる。」


って、冗談ぽく笑顔で言った。










すると隆太は
一瞬手を止めて、私を見ると








チュッと




私にキスをした。










まわりに誰もいなかったからよかったものの
リップ音のあるキスは恥ずかしくて、


嬉しかった。



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