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やくそくの その先へ

第4章 緑



口のきき方 とか 空気の読み方 とか
よく分かんなくて ……この世界に入って ね?
口数が ものすごく 少なくなっていったんだ。
もともと 人見知りが あるんだけど さ。
なんかさ。

……

不自然な笑顔が 張り付いてたんだ。 おれの顔に。

どこ行っても キラキラ笑顔 「ハイっ」 ってさ。
ちょっと 疲れぎみ。

そんな時だったかな
和が 見たコトない人と話してるのを見かけたんだ。
多分 年上の人。
髪が少し長くて 目が隠れてて よくみえない。
けど
きれいな人だ。
けど
近寄りがたい雰囲気が ある。


和が 何かを その人にささやいた。
距離間 間違ってないか⁉︎ って突っ込みたいくらいの近さで。

あっ… わらった

ふわっと わらった。

おれみたいに 張り付いた笑顔でなくて
花が咲いたような
笑顔

光りがさしたような気がしたから 手でひさしを作り
目をこらした。

ん?

なんだ? これ

みどりの 糸?

おれの指から のびる みどりが 一瞬

みえた。
























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