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やくそくの その先へ

第2章 赤

まぁ ちょっとだけ? 見てみたい世界だし。
興味も あったし。

学生の間だけだからね。
そーゆうコトが出来るのは。

将来は父さんの歩いてる道を 一緒に歩く。

それが 願いだから ……皆の。

少しの我が儘、だから。

次のオーデションだって 受かるかどうか、分かんないし ね。
いや、受からないかも。
おれより 光るやつなんて 山ほど居ると思うし
なにより、動機が不純だし。
デビュー出来ないほうが多いって聞くし。


オーデション当日
一人で 向かう。
風は 後ろから 吹いてくる。
目の前には 立ち塞がる高い 山。

行ける気がする。
その先に何があるのか 知らないけど、見えない力に手を引かれてるような…。

ライトが眩しくて 手で光りをさえぎる。

……何だ? コレ

自分の指に カゲロウのように 揺らめく 糸

目の錯覚かと まぶたをこすり 再度 見る。


やっぱり 揺らめく かすかな




赤の 糸が






みえた。





















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