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ぜんぶ二人ではじめて

第13章 はじめの一歩

「なーんてね。って!え?今、うんって言った?」

やだ。

冗談だったの?

ものすごく恥ずかしい!

「ナナちゃん……」

そっと近寄る、ヤスくん。

窓から少し離れて、

そっと……

キュッと……

抱き締めた。

ヤスくん……

ヤスくん……

胸がキュンキュン

ドキドキ

バクバク

もう、心臓破裂しそうだよ。

身長差、30㎝……

ヤスくんのしっかりした胸に包まれながら、心地よさを覚えた。

全然、嫌な気持ちにはならない。

やっぱり、好きな人に抱き締められるのは、違うんだな。

「ナナちゃん?」

「んー?」

「嫌じゃない?」

「うん。」

「ナナちゃん。」

名前を呼ぶ声が心地良い。

少し、腕に力が入った。

そしてすぐに弛めた。

「ナナちゃん」

もう一度呼ばれた。

少し体を離した。

「ヤスくん?」

「オレ……」

ガチャ……

バタバタ……

階下で物音がした。

「誰か来る?」

「かも。」

それでもヤスくんは、

「もうちょっと……抱きしめていたい。」

そう言って離れない。

ドアは閉まってるけど、急に開けられたら……!?

なんて考えてドキドキする。

「ヤスくん……」

気持ちいい……

でも、でも!

家の人に見られたら?!

恥ずかしすぎるよぉ!

だけど…私ももう少しだけ、こうしていたい…

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