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ぜんぶ二人ではじめて

第48章 君のためにできること

side 竜一

花嫁の控え部屋に入る…

緊張するなぁ!

コンコン!

ノックする。

「はーい?どうぞー。」

答えてるのは、

「金田!何でお前、先に見てんの?」

「いいじゃないの!そんな細かいこと気にしないの!」

「細かくないだろ!?そこは、俺が真っ先に見る権利あるだろ?!」

「はいはいはーい。七海ちゃん、竜一くん、心ちっさーいけど、良いの?」

「うるせーな。放っておけよ。」

「竜くん、心広いよー。狭くないよ?」

「はいはい。そろそろ邪魔者は退散しますよー。また後でね!料理、楽しみにしてる!」

そう言って、金田は部屋を出て行った。

急に静かになる。

「竜くん…」

「七海…」

「竜くん、カッコいい!」

「七海も、可愛い…いや…キレイだよ。」

二十歳になった俺たちは、百華の命日の今日、結婚式を挙げた。

学園の高等部を卒業し、2人で調理師の専門学校に進学した。敬一が切り盛りする飲食店でアルバイトして、卒業後はそこに就職した。

神様の前で、永遠の愛を誓う…

なんて小っ恥ずかしくて、もと親衛隊のメンバーに見られるのは…抵抗が…

でも、ことは進んでいく。

キレイな七海をあいつらに見せたくないんだよなー。

「市川!めちゃくちゃキレイ!!!」

「やっべ!鼻血もん!」

大興奮の輝と晃。

「おめでとう。竜、市川。」

「俺、泣くかも…」

感動してる、悦史と彰一。

輝は相変わらず悪ノリするけど、最近やっと彼女ができた!輝はサッカーでプロになった。

晃はまだ七海を諦めてない。大学生やってる。

悦史は大学飛び級で卒業して、今、院生だ。何やら小難しいことを常に研究していて、ノーベル賞候補にあがったんだとか。とにかく桁違いにすげー。

彰一は少しずつ自分のことを俺たちに話すようになってきて、一時期6人いたセフレも今は3人まで絞った!気楽な大学生やってる。

それぞれ、晃以外は七海卒業って感じになってきた。

「みんな褒めすぎだよ?ありがとう。」

七海のお腹にはツインがいる。

まだ性別は分からない。

妊娠4ヶ月になったばかりだ。

「あれー?竜くん?ちょっと来て?」

「どうした?」

「なんかね?ここ!」

「んー?」

興奮気味で自分のお腹を指差す七海のお腹に耳を当てる。

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