今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第3章 バレンタインの事情♡その②
靄のような冬の弱々しい光がカーテンの隙間から差し込む。
朝の冷たい空気を震わせるのは、ベッドのうえでオレと絡み合う彼女の熱い喘ぎだった。
オレの寝起きの機嫌は自覚するほど最悪だ…
お陰で、今朝もこうしてオレの腕のなかで乱れた彼女は、甘い鳴き声をあげ、頬を涙色に染めている。
「…ッ…ん、あ、おい…く…」
「…………」
「優し…く……っして…」
「……無理」
オレは彼女の嘆きに無意識にそう返事を返す。
激しく律動を繰り返すカラダとは裏腹に、頭は未だにはっきりせず眠ったままだ。
その代わりに目覚めたのは、理性という鎖を引きちぎって暴れ牙を剥くオレのなかの獣。
この寝起きの最悪の状態で何度このカラダを抱いただろう…
幾度となく肌を重ね、知り尽くした弱いところを容赦なく責めるたび、彼女のカラダは跳ね上がって暴れるオレ自身を引きちぎる勢いで締め付けてくる。
「あッ…んあ、ひゃ…ッ…イッ…ちゃ、やぁぁあ!!」
部屋中に響き渡る甘い悲鳴と、淫靡な水音がオレを狂わせる。
滴り落ちた汗が、のけ反って剥き出しになった彼女の白い喉元を濡らしていた。
あ…噛み痕増えてる…
己の存在をウザいほど誇示する紅い痕。それはコンタクトを入れてないオレの目でもわかるくらいのウザさだ。
ムカつく…
「……淫乱」
その痕を指先でなぞってやると、ビクンと予想通りのいい反応が返ってきた。