今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第3章 バレンタインの事情♡その②
あぁ、そうだ…
毎日違う女の子抱いて、チョコの代わりに欲しいものねだってたっけな…
「…………」
はぁ、今となっちゃどうでもいい…
サヨナラ、オレの黒歴史。
今年は高価な時計も、サングラスも、アクセサリーもいらない。
それよりもオレは…この子が欲しい。
っていうか…
ちーちゃん、もうすぐバレンタインだって気づいてる…よね!?
ちーちゃんがくれたチョコなら、どんなに甘くても喜んで食べるのに…
「はぁ…」
オレは気持ちを切り替えるように、彼女の寝顔を見つめながら汗で濡れた髪を掻き上げた。
…あーあ、ちーちゃん起きないかな…
起きないよね、っていうか寝かせてあげたい気持ちも半々だった。
彼女に見送ってもらえないのは残念だが、朝からこれだけ激しく抱けばやもを得ないことだ…
そう自分に言い聞かせながらベッドサイドにあるデジタル時計に目をやれば、
あ…時間ヤバッ……!!
極上の快楽から得た心身ともに爽快な目覚めと引き換えに、朝食にありつけずリビングでブーブー文句をたらす輩の顔が次々と頭に浮かぶ。
まぁいいや。ナギはコーヒー飲んでれば死なないし、聖は甘い物さえあれば生きていける。
朝はグリーンスムージーオトコのみっくんは…
あぁ、葉っぱでもかじってればいい。
…って、酷いなオレ♪
だってオレはちーちゃんでオナカいっぱいだし♡
なんてね、ひとりで起きる朝からは考えられないほど気分爽快なオレは、野郎たちからの多少の文句ぐらいは気持ち悪いほどの笑顔で応えてあげられるくらいの余裕を持ち合わせている状態だった。
毎朝こんなだったらいいのに…
穏やかな彼女の寝顔に口づける。
オレは軽くシャワーで汗を流すと、ご機嫌な笑顔でリビングに降りた。
バレンタインの事情♡葵♡
─完─