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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡

第6章 風邪なんてオレにうつしてさっさと治しちまえよ♡ver.渚







気がついたらどちらともなく唇を重ねていた。

その隙間から最後の甘いミルクが流し込まれて、それを追いかけるように彼の舌がアタシの口のなかに潜り込んでくる。

吐息と一緒に鼻から甘い香りが抜けていった。

今までに味わったことのない甘い、甘い香りだった。


「オレにこんなことさせて、後で困るのお前なのに……」


ギシっとベッドが軋んで、彼が手にしていたマグカップが床の上に転がり落ちる。アタシは自分を組み敷くように覆いかぶさる渚くんの髪を掻き抱くように手を伸ばした。

相変わらず意地悪な唇はアタシに話す猶予すらもう与えてはくれないだろうから、彼の心地よい重みを受け止めながらその柔らかい感触を堪能しながら身を委ねる。

時折彼の唇を舐めて、甘く噛みついて、欲望のままに自ら口づけた。


「は、ぁ……、なぎ…ッ、…ん」


カラダが熱くて…止まらない…。

ふたりを繋いだところから生まれる熱が、絡まる舌が立てる艶めかしい水音が、さらに熱をあげるから…

やめられない…


「ふ…っ、ん……ッ」


もっと…欲しい……。



「っ…でもやっぱ…」


──そう思ったときだった。


「ふざけんな…」

「…ッ‼ふ……んぁ‼」


突如余裕のない声が聞こえたと思ったら、ヒヤッとした感覚が身を貫いた。身を捩りながら見上げれはそこには不機嫌にアタシを見下ろす渚くんの顔がある。


「なぁ…」

「ん…ッ‼」

「…さっきからお前、生意気言ってんなよ」


…ッ─!!




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