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憧れの二人は女王様と召使い?

第2章 2




「おかえ…り…」



シャワーを済ませてリビングに戻ると
慧人が話しかけてきた



「どうした?」



「膝…なんであのときもっと早く助けてくれなかったの!?」


「ごめんなさいぃぃぃ!きゅ、救急箱!」


慧人は慌てて救急箱を探した



はぁ…思い出したら一気に苛立ちが来たけど
それを上回るなんとも言えない無気力感


もう、癒せるのは救急箱じゃない



アイスだ、うん食べて寝よう…



またバニラ味を選んで少し食べ進めたところで
慧人は救急箱を持って帰ってきた




「本当守れなくてごめんね?ちょっと染みるよ?」


「っ!無理だから!絆創膏だけで良いよ!」


慧人は消毒をしてから絆創膏を貼ろうとしたけど染みると聞いて消毒液から避けた


お風呂の時は知らずにやったから仕方なかったけど
染みるのが、痛いのが分かってやるなんてドMだろ。

「子供みたいなこと言わない!バイ菌入ったら治んないどころか悪化だぞ?」


…………



「それは…困るけど…お風呂入ったし
きっと綺麗に」

「麻理恵!」



「分かったわよ!煮るなり焼くなり好きにしなさいよ!」


「そんなに思い詰めなくても…」


「いいからさっさとやりなさいよ…」



「じゃあ…」



コットンに消毒液がついたのが段々と近付いてくる


「……んっ!」


咄嗟に慧人の服をつかんで目をぎゅっと閉じて
耐えた



早く終われよばか!

痛いのだけは本当に…

「はい!終わったよ」



「………死ぬかと思た…」


目を開けるを絆創膏を貼り終えて完璧な状態になっていた



「ねぇ、これ痕になる?」


「うーん…毎日消毒して、傷口が閉じるまで絆創膏したら綺麗なるんじゃないかな?」


「じゃあ別に痕になっていいや…」


「おいっ!」


別に足があるだけでありがたいもん。必要以上に痛い思いする事はない


「はぁ…やっぱお前は傷さえも癒す力があるよ」


再びアイスを口に運ぶ作業が再開した





これさえあれば私は完全体だわ


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