憧れの二人は女王様と召使い?
第7章 王女様と王子様
「沙紀さんのお弁当 」
……っ
やっぱ女の子が作るのが当たり前?
沙紀みたいなのが憧れとか?
お、お弁当も1回くらいなら作ってやっても…
「あれほとんど冷凍食品だよね」
そう言って彼は少し笑った
「うっそ……え、まじで?」
「うん、最初の一口目で分かったんだけど…麻理恵気付かなかった?」
「いや、全く…」
なんだ
あいつも料理しないんじゃん
盛りつけだけ頑張って
ウケる
私は心の中でめちゃくちゃに笑った
「だから今日あぁ言ったんだ」
「ん?なんかいってたっけ?」
――――――――――――――――――――――――
「明日はなに作ってこようかな…ね、慧人さんはなに食べたいですか?」
「俺は、なんでもいいよ。自信のあるものちゃんと自分で作ってきたらそれだけでいいと思うなー」
――――――――――――――――――――――――
「って。そしたら困ったように、わ、分かりましたって
笑いこらえるの苦しかったー」
え、あの時なんでもいいって言葉で苦しめてるのかと思ってたら
慧人そんな意味合い込めていってたの!?
く、黒い…!もしかして慧人の方が私より本性やばかったりして……
「だからそういう意味でも一番うまいよ、これ」
まあ、そりゃ冷凍食品と比べたら
少し失敗したって手作りのうまいって言うわな
「ありがとう」
「ほんとよ、もっと感謝されてもおかしくないんだから…」