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school life

第3章 school life~卒業式

「大丈夫だよ」


「最後は、屋上に行こう?」


 十夜がそう言うと私達は屋上に向かった。屋上、初めてリスカした場所……。歩と出会った場所……。涙が止まらなくなった。


「京子……?」


 十夜が心配そうに覗き込む。


「大丈夫」


 私はぎこちなく笑った。十夜は、それを見て私に抱きついた。


「愛してる……泣くな」


 十夜は、震えていた。そう……あの保健室の時と同じように。十夜に抱きしめられているといつの間にか落ち着いた。


 帰り道……。あたりは夕日で赤く染まっていた。


「卒業式、なんだかんだでみんな泣いてたな」


「うん……。あたし、いい思い出なんかあまりなかったけど、やっぱり高校のみんなと別れるのは、辛かった」


 そう言って私は、うつむいた。十夜は、私の頭を撫でてきた。

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