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犬猿の仲良し

第20章 一か八か

璃「俺は今回の件で、お前の大切さに気付いた」
健「マジ?!てーれーる-」
璃「調子乗るなよ」
健「はい」
璃「だから…」
健「だから?」
璃「考えさせてくれ。もちろん俺の勝手な行動だと思うんなら断ってくれても構わない」

俺はここをおろそかにしたくはなかった。
神楽と花火に指摘されたとおり、もしかしたら好きなのかもしれない。
でも、そんなのまだ確定してないし自分が一番分からない。
俺は雰囲気だけでそういう関係になるのはごめんだ。

健「えー、とそれは…考えるのを断ったらどうなるんだ?」
璃「悪いけど、お前の告白は断る」
健「じゃあ考える時間があったら?」
璃「…分かんねぇ」
健「なるほどな。よし、賭けようじゃねーか!璃玖の最終決断に!」
璃「本気か?」
健「可能性が全くないより1億倍いいだろ?」

健太は清々しいほどの笑顔で笑っていた。
俺は頭がおかしくなったんだな。
男を好きになる可能性が微量でもあるなんて。

健「あー、そろそろ帰んないと俺ヤバいかも」
璃「、ちゃんと説明しろよ?おばさん、元気なかったぞ」
健「そうするわ」

俺達は立ち上がり、自分の家へと歩き出した。

璃「明日からは学校来るんだよな」
健「おう!あ、俺先生にも説明しないとなのか?」

俺はそれを聞いて嬉しくなった。
明日からまた来るのか。
楽しみだ。
でも調子に乗るから口には出さない。

璃「だな」
健「インフルって事でいいかなー」
璃「あほだろ。それで信じる奴も」
健「駄目だったら生理痛って言うわ」
璃「好きにしろよもう」
健「ツッコミさぼってんじゃねぇよ!俺痛い奴みてーだろ?!」
璃「みたい、じゃなくて痛いんだよ。あー、痛々しいわーやだやだ」
健「ぶち犯すぞ?」
璃「おー、上等だ。…って犯すって何?!」
健「引っかかった-!ばーかばーか」
璃「死んでくれ」
健「ごめんなさい」

そんな懐かしいやり取りをしてる内に、あっという間にそれぞれの自宅に着いた。

健「そんじゃ、待ってろよ!」
璃「は?ここで?」
健「ちげーよ!目移りすんなよ!ぜってー落としてやるから!」
璃「…早く帰れ!明日な!」
健「おう!」

俺は素早く家に入った。
外が暗くてよかった。

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