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リモーネ

第4章 ツルバラ





次の朝、アラームがなる前に起きた俺は何時ものように学校に行く準備をする

普段かえで先輩がピンポンを鳴らす時間になっても誰も来ないし、スマホに何のメッセージも来ていない。

寝坊かな?


しかし、遅刻するギリギリの電車に乗れる時間を過ぎてもかえで先輩は来ず、俺は自転車に乗って一人で駅に行った

電車でも登校路でも一人。

昼ごはんも一人で学食。

部活に行くのも一人。




一週間前の生活に戻っただけ




でも、剣道場の鍵を開けて、部室で座っていて目の前にかえで先輩が現れたとき、俺は挨拶もせずに話しかけていた

「かえで先輩、今日、一緒に帰りましょう」

「どうしたのセナちゃん?」

「あ、いや、帰り道、一緒なんで…あの…」

「…うん。そうだね。一緒に帰ろう。」

鍵返すの待っててあげるねといったかえで先輩は俺を見ていなかった






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