
僕らはずっと…
第8章 ありがとう
俺の涙が止まった頃、ちょうど家に着いた。
父さんは俺が泣いていることに気づいていただろうけど、何も言わなかった。
春はまだ寝ている。
「まだ寝かせとくか?」
「うん。俺、春を部屋に連れてくよ。」
「ん。わかった。頼んだぞ。」
父さんが車のドアと家の玄関の扉を開けてくれて、俺は春を抱っこした。
二年ぐらい前までは同じぐらいの背だったのに、今ではもう軽々と春を持ち上げられる。
軽くて、細い。心配になるほどに。
自分の背が伸びた分、春が小さくてか弱く見えてしまうのだろうか。
春を起こしてしまわないように、ゆっくりと部屋へと続く階段を上った。
