僕らはずっと…
第8章 ありがとう
「うん。」
柊が私の言葉にうなずく。
「柊は私のヒーロー。
小さい頃から変わらないね。」
思いっている事がつい口から出てしまった。
でも、いいや。ホントのことだもん。
「ヒーロー何かじゃないよ。
守れなかった…。」
柊が否定する。柊は何も悪くないのに。助けてくれたのに。
柊から離れて、柊の顔を見上げる。
柊の目は少し赤かった…。
「しゅう。しゅうが助けてくれたんだよ。
助けてくれてありがとう。」
私は柊の目を見て伝えてからぎゅうっと抱きしめた。
抱きしめる直前、柊が泣きそうな顔をしてるように見えた。
でも、それはなんだか気づかない方がいい気がして、私は見ないようにした。
昔病院で目が覚めた時、柊がしてた顔に似ていた気がした。
「…ありがとう。」
柊がなぜかお礼を言った。
理由は分かんない。けど、いいや。柊がいてくれるならそれでいい。
柊が大事。何よりも。
柊の側から離れる事なんてできない。
柊…いなくならないでね。
柊も私を強く抱きしめてくれた。
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える