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琉依短編集

第4章 偶然の奇跡

 三十分後――…。

「あたし、次で降りるから」

「分かった」

 次の駅で琉依は降りた。俺はふと思い琉依に続き電車から出る。

「あ……あのさ!」

「ん?」

 俺の呼びかけに琉依は振り向く。

「図々しいお願いしていい?」

「サインくれないか?」

「いいよ」

 琉依がそう言ったのを聞き、俺はペンとメモ帳を渡す。琉依は俺から受け取るとサインを書いた。

「はい」

 メモ帳には〈祐一へ。Dream Kiss琉依〉と書いてある。

「ありがとう。一生大事にする」

「あぁ。またな」

 そう言って琉依は去って行った。

「よーしっ! 明日からまた頑張るかっ!」

 俺は笑顔で呟いた。


End

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