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今日も明日も

第20章 countdown



「…離せよ」

「嫌だ」


本当なら、ここで思いきり怒鳴りたかった

何、目の前で浮気のメールなんてしてるんだって
その頬を引っ叩きたかった


だけど、ここは楽屋で

皆がいる仕事場で



「離して」

もう一度、感情を抑えた低い声で、相葉さんを睨む


「…だから、嫌だって言ってるでしょ」


背中がゾクリ、とした

相葉さんの目が、…鋭くなったから



「…っ」

諦めたように見せかけて

再び隣に座る


だけど

俺だってこんな目に合って、「はいそうですか」なんて

引き下がる訳には行かないんだよ


隠さなくなった、情事の爪痕は

何度も俺の心を抉ってきたんだ


コイツにも、女にも

思い通りになんて、させない




「今夜、相葉さんち行っていい…?」

たかが浮気相手の女に

好きなようになんて


…させてたまるか



「今日は…」
「行くからね」

拒否なんか、させない



まだ、間に合う

今なら

まだ、戻れる

急いで…


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