今日も明日も
第20章 countdown
相葉さんが見えない
考えてる事が分からない
それなのに
「別れる」と言えない自分が惨めで
捨てられるのが怖い、なんて思う自分がいて
「最悪…」
思わず口に出していた
言葉を口にしたら、涙が溢れてきた
止めたくても、止める術が分からなくなった
だけど
このままにはしたくない
顔も、名前も知らない女なんかに
負けるような「想い」じゃない
俺の、この「気持ち」に勝てるわけない
相葉さんの心は
絶対に自分にあるはず
テーブルに投げてあったスマホを掴んだ
通話にすると、出ない可能性がある
だから、わざと既読が分かるLINEを開いて
【今から行くから】
…これだけを送信した
すぐに付く「既読」の文字
相葉さんは、LINEとかメールはすぐに開く癖があるから
敢えてそれを利用した
「既読」と付いてるから
見てない、は通用しない
返信はないけど、どうでもいい
読んだ事実さえあれば