今日も明日も
第22章 のんりある 旅行編
「お兄さん、すごいねぇ!」
おっさんがガハハと笑った
「お兄さん、結婚は?」
おばちゃんが無遠慮に突っ込む
「いえ…独身です」
「あらまぁ、こんなイイ男が勿体無い!」
…ほっといてください
「なら、彼女は?」
「いや…」
何素直に答えてるんだ、俺は
おばちゃんパワーには逆らえない何かが潜んでるのか?
「ま、せっかくの特賞の旅行チケットだから、楽しんでおいでよ!おめでとう!!」
「あ…ありがとうございます…」
何でだか周りにいた人達にまで拍手をされて
チケットの入った祝儀袋を受け取ると
俺は逃げるように、商店街を後にした
早く帰らなきゃ
今日は相葉さんが来るんだから
帰ってバタバタしたくないから
先に家に着いていたかったのに
余計な足止めを喰ってしまった
そりゃ、並んだ自分が悪いんだけど
くじ運に全く縁のなかった俺が
まさか特賞が当たるなんて…