無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

目の前には、最後の1本の缶ビール

それを向かい合って見つめる

俺とにの

お互いが顔を上げて

お互いの目が合った


にのが、ニヤリと笑うから

つられて俺も笑う


「じゃーんけーん…」


ぽん！、で出したのは


俺がグーで

にのがチョキ


「よっしゃ！俺の勝ちぃ！」

意気揚々と勝利のビールを手に取った

…取った、のに



「負けちゃったぁ…」

俺の前で、悲しそうな顔を浮かべるにのがいて

「…飲みたかったなぁ」

なんて、今にもうるうるしそうな目を向けられるから



「…にの、あげる」

俺だって、飲みたかったけど

仕方ない

こんな顔されたら、あげないわけにはいかないでしょ

缶を、にのに差し出したら



「やった！サンキュー！」

にぱっと笑うと

さっさと俺から奪い取り、にのがそれを勢い良く飲み始めた


また、やられた

もー…分かってるのに、この作戦に引っ掛かる


「相葉さん、学習能力無さすぎ」

「…ほっといて」


だってその顔に、弱いんだから