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今日も明日も

第31章 夏の夜空に


「あ…あああっ!」
「…っくぅ!」


ほぼ同時に熱を吐き出して

静かな空気の中、二人の荒い息だけが響き渡っていた


持っていたティッシュをありったけ使って、俺を綺麗にしてくれた相葉さんが、身仕度まで整えてくれ
最初に座ったベンチまで、抱っこで運んでくれた

また、二人並んで座る


興奮が納まると、今度は一気に恥ずかしくなった
酔いだって、とっくに醒めている

「…帰ろっか」

恥ずかしいのは相葉さんも同じようで
まともに俺を見ようとしない

「うん…」

差し出された手を握る

ゆっくり立ち上がるけど、痛む腰に顔が歪むと

「掴まっててね」
相葉さんがふわりと俺を抱き上げた

「え、あ、降ろせって…」

痛みでじたばた出来ない代わりに、口で抗議するけど

「やだ」

そのまま歩き始めた相葉さんから飛び降りる訳にもいかず

…でも、どこか喜んでる自分にも気付いたから


俺は相葉さんの首にしがみついて、肩に顔を埋めて
相葉さんに身を任せる事にした


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