今日も明日も
第34章 100%のきもち 2nd
「でもさ、おかしくなってどんくらいになる?」
「おかしく…って、智くん酷い」
櫻井さんが苦笑する
大野さんは "そっか?" と気にもしないで俺の傍に来ると、俺の腕やら背中をぺたぺた触った
心臓がドキン、と跳ねた
「あの…大野さん?」
「分かる事はあるんだろ?」
「え、はい…」
「焦んなよ、あんまり
…記憶なんか、上書きすりゃいいんだから」
大野さんは、ふにゃっと笑うと
仕上げ、と言わんばかりにポン、と肩を叩いた
「さすがリーダー」
たまたま通りかかった松本さんがニヤリとする
「だろ?」
ドヤ顔で返す大野さんに
「…それがなきゃ、完璧だったのに」
松本さんのぼやきに皆が笑う
…笑えないのは俺だけだった
大野さんは勘が鋭い
だから、分かってるのかと思った
いや、もしかしたら感付いているのに
敢えて何も言わないのかもしれない
俺の記憶が、全部ではないにしろ
かなり戻ってきている事に