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第39章  再録・ ミニ短編



屋上に続く階段の横

注意しなきゃ、その存在すら分からない小さな扉

入るには、しゃがんでやっとの
その扉の向こうには
1畳あるかどうかのスペース

見つけたのは偶然だった

最初は、1人になりたい時にいつも忍び込んでいた

だけどそこを知ってるヤツがもう1人いて

気付いたら2人でそのスペースに並んで過ごすようになっていた

「ね…ここ、他の人が知ったらどうする?」
小さな声で、囁く

「知られたら、まずいの?」
そう答えた相葉さんが、俺を見つめた

「だって…せっかく見つけたのに」
少し、唇を尖らせてみる

秘密基地を知られたくない
…そんな、子供みたいな気持ち

「俺だって、知られたくないけどね」
相葉さんがふふ、と笑って


「だって…こういう事、出来なくなっちゃう」

俺の頬を両手で包み込んだと思ったら
…優しくキスをしてきた


「…まだ、皆には内緒?」
俺が、クスクス笑ったら

「内緒」



だって、秘密の共有って
ドキドキしない?

だから

もう少しだけ、秘密にしとこ?


End

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