今日も明日も
第41章 再録・短編
ピンポーン
間延びしたチャイムが鳴った
誰なのかは分かってるから、「入れよ」とだけ返すと
そのままリビングに移動して、中に来るのを待った
「お疲れ」
そっとドアを開けて、伺うようにこちらを見る
「早く入って。寒いから」
入口に突っ立ってるその人物に冷たく言い放ち
視線を向けると
「あ、…うん」
ー…ごめん、と小さく答えてドアを閉めた
手招きすれば素直に近付いて、促されるまま隣に座る
「今日は…どうして欲しい?」
間近に来た耳許に、息を吹き掛けるように囁くと
体をビクッとさせて顔を真っ赤に染め上げながら
「…いっぱい、愛して…」
消えそうな声で呟いた
「どうやって…?」
口角が上がるのを抑えられない
今、きっと意地悪な顔をしてる
「そんな…」
「だって…言わなきゃ分からないよ?」
楽しい
ゾクゾクする程楽しい
俺の中のS心が疼いてしまう
だってこんな姿、見たことない