テキストサイズ

今日も明日も

第43章 やさしいキスをして


いきなり重病人に成り下がった俺は、フラフラしながら応答のボタンを押した

「ごめん…具合悪くて、悪いけど帰って貰える?」
家まで来てる奴を追い返すのは忍びないけど、横になる方が重要だ


「やっぱり」
だけど相葉さんからの返事は否定でも納得でもなかった

「今日のにの、おかしかったもん

だからさ、食べられそうなもの買って来たよ
…どうせ何もたべてないんだろ」

こう言われたら、もう開けない訳にはいかないだろ
それに、自分ですら気付かなかった体調に先に気付いてくれてたのも、…嬉しいし


「開けたから、玄関も勝手に入ってきて」
そうインターホン越しに告げて、俺はさっさと寝室に向かう事にした

とにかく横になりたかった

体温計を見た瞬間から、俺は病人なんだから
寝なきゃいけないんだ

休まなきゃいけないんだ


とりあえず部屋着にだけは着替えて、着てた服は放り投げた

早く布団に入らなくちゃいけないんだから

…何だかおかしな使命感だった

多分、熱のせいだろうな

ストーリーメニュー

TOPTOPへ