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今日も明日も

第43章 やさしいキスをして



「あ、熱あるならこれね」
ブランケットで隠れていた冷えピタのシールを剥がすと、ぺたんと俺のおでこに貼り付ける

ひんやりして気持ちいい

「ありがと…」
「いいのいいの」

そのまま髪を撫でてくれるから
心地好さに目を閉じた

「俺、ここにいるから安心して寝な」
相葉さんが優しい声で囁く

「え…」

「ブランケット持ってきたから、傍にいるからね」

まさかそこに、包まって過ごすつもり?
それじゃあ、体が痛くなっちゃうじゃん

しかも床、フローリング…


「いいよ…寝てれば治るから

相葉さん、帰って寝なよ」

「ダメ」

「は?」

「にの、ほっとくと水分も取らずに寝るでしょ?…だから、俺が看病してやるって」

うちに来た本当の目的はそうじゃないのに
そんな事、おくびにも出さないでにっこり笑う

「でも…」

「いいから!にのはおとなしく寝てなさい」

こうなると、案外相葉さんは頑固だ

だけどそれは優しさからで
…俺の事を思っていてくれるからで


「…分かった」
それ以上は何も言わず、相葉さんの判断に任せる事にした

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