今日も明日も
第46章 再録・短編 ②
「ねぇ、そのシャツ何年モノ?」
首周りはでろーんと伸びきって、袖も広がりきって、何なら裾は擦りきれている
いくら部屋着とは言え…いい加減棄てればいいのに
言わなきゃそこらの外出もそのまんまだし
「んー…そろそろ18年近いかな」
「シャツなんかいっぱいあるんだから、そろそろ棄てれば?」
「ちゃんと洗ってるもん」
いやいや、そう言う問題じゃないってば
「もう、ボロボロじゃん…」
"思いきって今棄てちゃえ!"とシャツに手を欠けたら
「ダメ!ぜーったいダメなの!!」
こっちが驚くくらいムキになった
何故か目尻に涙まで溜めて
「何でよ、いっぱいシャツあるじゃん…何も敢えてそんなボロボロ着なくても…」
「だって…」
ギュッとシャツを掴む
「棄てられるわけないじゃん…」
「何で…」
「覚えてないの?」
にのが赤くなって…俺を軽く睨んだ
「これ、相葉さんが初めてくれた誕生日プレゼントなんだよ」
ドキッ!
その潤んだ目に萌え死ぬかと思った!
なにその可愛すぎる理由
「にの…」
「だから棄てない!」
うん、棄てなくていいです(笑)
嬉しくて、堪りませんマジで
でもね
「…家の中だけにしようね?」
これだけは、言わせて
End