今日も明日も
第48章 君がいるから~番外編・翔ちゃんの誕生日~
駅で潤を出迎えて
アパートに着いてすぐに、潤は料理に取り掛かってくれた
俺はと言えば、モヤモヤした気持ちが全然晴れなくて
てきぱきと動く潤をボケッと眺めてる事しかしてなかった
「なんかあったの?」
料理の手は止めずに、潤がふいに切り出した
俺の様子がおかしいのなんて、とっくに気付いてたのに、敢えて今まで黙っててくれた
「ああ…翔ちゃんにさ、あっさり今日休んだのバレた」
曖昧に笑って誤魔化したけど
「それだけじゃないっしょ」
もう、何で皆すぐ分かるのかな
そんなに俺って隠し事出来てない?
「…黙ってたのは疚しい事があるんじゃないかってさ」
何故かここで潤が吹き出した
「何で笑うんだよぉ…」
俺は凹んでんだぞ?
信用されてないって言われてさ
「だって、翔さんの焼き餅じゃん、それ」
「え?」
菜箸持って笑ってるのにカッコいいって何だかなぁ
…って、そうじゃなくて
「いるはずない場所の人混みで一目で見つけちゃって、すぐに電話するくらい妬いたんでしょ」