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今日も明日も

第49章 春が近いから


N side

「ちょっ…、やめて…ね、やめよ?」

酔った勢いで、思わず “好き“ と告白なんてのをしてしまったのを今更ながら酷く後悔した


…何故なら
それを受けたこいつが

何の答えも聞かせてくれてないくせに
いきなり寝室に俺を連れ込んで、両手首をしっかり抑えて組み敷いて来たから


「離せって!ねぇ、本当やめて」
手は動かせないから、首を振って “拒否“ の意思表示をするけど

「ヤりたくないの?」
組み敷いてるこいつは、しれっとそんな事を聞いてきて


ヤりたいとか
ヤりたくないとか、そんなんじゃないんだ



好きと言ってしまった俺
何の返事もない相葉さん


これでそういう関係になったって嬉しくも何ともない

後に虚しくなるだけの、気持ちのないセックスなんてしたくない

ただ欲を出す為に利用されるのはごめんだ



「シタく…ない」
ギュッと固く目を瞑ってもう一度首を振る


「何で?…俺が好きなんでしょ?」

「……好きだよ、でも…」

それとこれとは、別問題なんだ

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