
今日も明日も
第49章 春が近いから
「にの、今日俺んち来ない?」
撮影の合間の待ち時間
携帯ゲームに没頭してるにのの隣に座った
昔からゲームに夢中になってる時のにのは、話しかけても返事が適当になる
聞いてはいるんだけど、余程じゃない限り聞き流してる感じ
「相葉さんち?」
携帯を弄る手を止める事も、手を止める事もなくとりあえず聞き返してくるから
「うん、明日夕方からの仕事じゃん?」
「そうだっけ?」
半分聞いて半分聞いてないの、丸分かり
「久しぶりにさ、うち泊まんない?」
ここは敢えて聞き流して頷いて欲しい
下手に意識されると “行くけど泊まらない“ って言いだし兼ねないし
「んー、いいよ」
返事の直後に “よし!“ って声が上がったのは
ゲームがクリアしたから
…って事は俺の望み通り、にのは上の空で返事をした訳で
「着替え、うちに置きっぱのがあるからいいよね」
俺がそう言うと
案の定にのは
「え?何が?」
少し慌てたように俺を見上げた
