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今日も明日も

第52章 Bitter Sweet


玄関を開けるとそこには何の明かりもなく

エアコンも全て切られているのかムゥッとした蒸し暑い空気が俺に纏わりついた


今日は遅くなるよって言っておいたのに

分かった、って不満気ながらも頷いたのに


分かりやすく拗ねるあいつが可愛くて仕方ない

どうせ快適な温度にした寝室で小さく丸くなってるんだろ

わざとらしく隅っこに寄って、俺のスペースを無駄に広く空けて


どこかに行っていると言う事はあり得ない

だって靴もサンダルも靴箱の中に隠すように押し込められて、その扉が閉まりきらずに少し空いている

こういうとこが抜けてると言うか

まだまだ子どもな部分なんだと顔が弛みそうになる

中にいるのは確実だから、俺も焦らすようにそこへはすぐには行ってあげない

シャワーで汗を流し、外での仕事モードからの解放感を締める為のビールを冷蔵庫から取り出して、喉に流し込んで一息つけば

絶妙のタイミングでスマホにメールの着信が入った

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